まとめ:巻貝たちの歓喜が影響を受けた作品

まとめ:
巻貝たちの歓喜が影響を受けた作品

よく、映画というのは総合芸術と言われます。物語性は文学的で、画は絵画的であり写真的であり、そして音響があり、カット割りがあって。
だからこの「巻貝たちの歓喜が影響を受けた作品」シリーズでは映画に限定せず直接間接に影響を受けた色々なものを挙げてみました。

書ききれなかったものもたくさんあります。
ドイツ人トマス役のアニメ好きなマルティンさんにあわせた某アニメっぽい台詞
スピルバーグのよくやるサングラスを外す演出をまねたり、店内の音楽が大きくなるのは黒澤明演出の真似だったり。
死と生の境界的な世界観はフィリップKディックの「ユービック」にうっすら影響うけてたり。
劇伴音楽の制作では、「エイリアン」「エイリアン2」「ポルターガイスト」のサントラや、坂本龍一の音楽をサンプルにして、作曲の横内さんと話し合いました。。
実は真っ黒画面から声が響いてくる始まりや、いつまでも亡くなった妻への想いを抱き続けているところはケン・ローチ監督「わたしはダニエル・ブレイク」だったり。
双子の写真というのはうっすらジョン・ウー監督「男たちの挽歌2」からのアイデア拝借だったり(実はタイトルも「男たちの挽歌」にうっすら影響受けてたり)。
そして創作物とは違いますが、影響を受けた「ノンフィクション」として、劇中にちょこっと登場するドイツのハイゼンベルク博士も大好きです。アインシュタインなら意味が分かるはずとわざと原爆の設計資料をリークさせたという話は真実かどうかはわかりませんが、大好きな逸話です。

それやこれや、自分の好きなものをこれでもかとぶっこんだのが「巻貝たちの歓喜」ということになりましょうか。

でも、この映画でもっとも大きな影響を与えたクリエイターたちは、本作にかかわった素晴らしいキャストやスタッフたちです。
来栖慶一郎役の古本恭一さん、来栖晴海役のきむらまさみ、洲谷麗美役の神戸カナ、この3人の演技という表現をこれまで見てきたからこそ生まれた企画であり、音楽の横内究さんの素晴らしい音楽センスがあればこそのシーンもありますし、そんな横内さんの作った曲に詩をつけた撮影の齋藤さやかと、振付をつれてくれた大澤由理さん、そして歌と踊りを2ヶ月の特訓でものにした安東るる子役の山城まことちゃん。見事なまでにかっこいい題字を揮毫してくださった今泉岐葉さん、こうした方々の芸術センスのおかげで映画は脚本で想像した者より何百倍もすごいものになりました。

さまざまな創作への想いがぶつかり合い自由にたっぷりと時間をかけて作られたのが「巻貝たちの歓喜」です。

最後に、表現の自由に対して政治圧力をかけようという昨今の風潮に私は断固として反対します。すべての表現者は原則として自由でなければならない。表現の自由よりも政治が優先されれば映画も芸術も衰退する、これは歴史が雄弁に物語る事実です。そして表現の自由は与えられるものではなく、勝ち取るものです。作り続けていくことが、私に影響を与えた数多の創作者たちに報いる唯一の方法であると信じています。

というわけで、次回作もお楽しみに。

齋藤 新

Scroll to top