巻貝たちの歓喜が影響を受けた作品 Vol.1 「マタンゴ」

「巻貝たちの歓喜」が影響を受けた作品Vol.1 「マタンゴ」

映画「マタンゴ」(1963 日本、監督:本多猪四郎)

私が選ぶ東宝特撮映画ベスト4はゴジラ(1954年版)」「地球防衛軍」「世界大戦争」そして「マタンゴです。
「ラドン」「モスラ」「ゴジラ対ヘドラ」もいいけれど、「妖星ゴラス」も「サンダ対ガイラ」もいいし「クレージーの大冒険」も最高なんですが、でも「マタンゴ」です。

マタンゴあらすじ
東京の病院に収容されている1人の青年が、自らが遭遇した恐怖の体験を語り始めた。

ある日、豪華なヨットで海に繰り出した7人の若い男女が嵐に遭って難破し、無人島に漂着した。そこは、カビと不気味なキノコに覆われた孤島であった。波打ち際で唯一見つかった難破船には、少数の食料が残されていたものの生存者はおらず、「船員が日々消えていく」と書かれた日誌や、「キノコを食べるな」という警告が残っていた。男女は当初は協力していたが、食料と女性を奪い合って対立する飢餓と不和の極限状態が訪れ、7人の心はバラバラになっていく。また、島の奥からは等身大のキノコに似た不気味な怪物が出没し始め、1人、また1人と禁断のキノコに手を出していく。

唯一キノコに手を出さず怪物の魔手からも逃れ、ヨットで島を脱出した青年は幸運にも救助され、こうして病院へ収容されることとなったが、そこは精神病院の鉄格子の中だった。難を逃れたはずが狂人として隔離されてしまった青年は、「戻ってきてきちがいにされるなら、自分もキノコを食べて恋人と島で暮らしたほうが幸せだった」と後悔し、窓から平和な東京の町を眺めて悲観に暮れながら鉄格子の方を振り返る。病院関係者たちの好奇と畏怖の注目を集める青年の顔には、彼が島で見たキノコが生え始めていた。

「マタンゴ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
2020年5月1日 (金) 12:05 UTC
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B4

もちろん今回の映画と「マタンゴ」は全然似ても似つかぬ映画ですが、食っちゃいけなそうな気持ち悪いものを欲望に負けて進んで食ってしまうあたり、一度食ったらやめられない止まらないなところと、B級の香りぷんぷんのところは「ソラリス」やディックの小説なんかより圧倒的に「マタンゴ」の影響大ではないかと思うのです。

そういえば冒頭に登場させる予定のきのこ雲は「世界大戦争」へのオマージュととれなくもないですし、戦争中のドイツの実験が現代日本で大事件を起こすところは「フランケンシュタイン対地底怪獣」や「サンダ対ガイラ」っぽくもあります。
なんだかんだと、東宝特撮から多くのものをもらっているのかもしれません。

「マタンゴ」に戻りますが、この映画は無人島に漂着した数人の男女が、飢えと闘いながら禁断のきのこを食うや食わずや、食ってしまったものはきのこ怪人になってしまうが食えばやめられなくなる。
そんなB級モンスタームービーながらも、人間としての尊厳、命、欲望のいずれをとるのか・・・という深い哲学的テーマを内包した大傑作SF映画なのです。
きのこに毒されたにも関わらず異常に妖艶で悪魔的美しさの女、終盤の意味不明ながら悪夢的な力強さみなぎる展開。
たぶん今の技術で撮ってもこの小劇場ノリな濃厚さは出せないだろうという、あの時代だからこそ作り得た大傑作であると信じています。

東宝のミニチュアの街や戦車を壊しまくるスペクタクル特撮の陰で、「マタンゴ」のような等身大怪人怪物ムービーが定期的に作られていた昭和30年代の映画界に少し憧れます。

東宝等身大怪人怪物路線映画では他に「美女と液体人間」「ガス人間第一号」なんかもおススメです。

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