「巻貝たちの歓喜」が影響を受けた作品Vol.6 「ブレードランナー 」

photo by Dick Thomas Johnson
映画「ブレードランナー」(1982 アメリカ、監督:リドリー・スコット)
主演の古本さんが初めて脚本を読んだ際の感想が、「ブレードランナーみたいだ」でした。
実は1箇所、パクった台詞はあるんですが、ブレランの直接的な影響はそこくらいです。
話は全く似てないし、人造人間とか出ないし、雨降らないし、車飛ばないし、折り紙得意なやついないし。
ただブレードランナーが生命への執着の話だったのに対し、本作は命よりも愛に執着する話で、執着という点では似てるかもしれません
そして本作における、人間の姿してるけどほんとは違うもの、その人間じゃない何かとの恋愛
なんかにブレードランナーらしさを感じないこともないかも、と思いました。
そう思い始めると「巻貝」の前半におけるインタビューシーンの大学准教授(神戸カナ)と主人公(古本恭一)との探り合いの雰囲気が、デッカードとレイチェルの反応テストの問答に似てる気もして。
その場面…ブレランぽく撮っちゃうかもしれません。
ブレードランナーは中学のころ、札幌はすすきのにあるジャブ70ホールというミニシアターで初めて鑑賞しました。配管むき出しの館内の雰囲気、終わって劇場出た時に広がるすすきののネオン街なんかも含めてめちゃくちゃ中学男子の感性を刺激しました。以来今日に至るまで一番好きな映画は?と聞かれたら「ブレードランナー」と答えています。30年以上かけて自分の細胞の隅々にまで浸透していったブレラン愛なので、無意識のうちに脚本に現れてしまったに違いありません。
だから「ブレードランナー2049」は…まあまあ面白かったけど、この程度なら作らないで欲しかったなあと思いました。
ちなみに1箇所パクった台詞ってのは
「四つくれ」
「二つで十分ですよ」
というデッカードとうどん屋のオヤジとの会話です。「巻貝」のどこに出てくるかは本編でご確認ください。